2020年よりも前。
あの頃の私は、「これってモラハラだ」とはっきり認識してはいませんでした。
違和感はたくさんあったのに。
「結婚しているなら夫に合わせるのが普通なのかな」
「妻は夫を支えるものだ」
――そんなふうに思い込んでいたのです。
実際、一昔前の親世代ではこの考え方が“当たり前”だったと思います。
私が暮らしているのは田舎なので、
パート先の年上の女性たちの中にも「妻は夫に尽くすもの」という価値観を持つ人が少なくありませんでした。
だからこそ、「私が間違っているのかな」と思ってしまいやすい環境だったのだと思います。
つづりでも!
一緒に生活する以上、相手に合わせたり支え合ったりすること自体は、
決して間違っていないと思います。むしろ、寄り添う気持ちがなければ、一緒に暮らすことなんてできませんからね。
夫から言われていたことと私の気持ち
義父と一緒に建設業の自営業をしていた夫。
その夫から、私はよくこんなことを言われました。
「お前はただのパートだろ?今日は休んで俺の仕事を手伝え」
「俺の稼ぎで食わせてやってるんだから、遊びみたいなパートはやめたら?」
「いいよな~ラクなパートで」



こんな事言われたら皆さんどう思いますか?
もちろん私は「私のことバカにしてんの?!」と腹が立ちました。
「え?なんで?稼いでる金額が多いほうが偉いの?」と何度も言い返したこともあります。
すると夫は「そうは言ってない。分かるよ、パートでも仕事は仕事だもんな」と言いつつ、
「でも、俺の仕事を手伝った方が、後々収入としては大きくなる可能性あるぞ?」と畳みかけてくるのです。
家族経営の「手伝い」が普通なのか?
確かに、家族で会社を支えるという形もあると思います。
実際に私は、数名いた従業員さんの給与の振り分けや取引先への振込、
毎年の確定申告まで、全くの未経験から商工会議所に相談しながらこなしてきました。
ただ、建設業の「図面の拾い出し」や「現場で使うパーツの組み立て・解体」などには、
正直まったく興味が持てませんでした。
図面の読み方も分からず、どうしてもやる気が出なかったのです。
それなら外でパートをして、人と関わり、
働いた分をきちんと「自分の給与」として受け取る方が、
私にはよほど良いと思えましたし、
元夫といることで、私の仕事への選択肢はなくなるの?と。
「旦那大好き!一緒に会社を盛り上げていきたい!」と心から思えなかった私も悪いのかもしれません。
けれど、夫が義父から会社を継いだ頃には、すでに一緒にいること自体が苦痛になっていたのです。
日常に潜んでいた「当たり前」
毎日飲み歩いて、ほとんど家にいない夫。
子育ても家事も全て丸投げで、「俺の作業着洗ってないの?」「お弁当作ってないの?」と朝から怒られる。



私は家政婦か何か?!
建設業の人は朝6時に出発なんて当たり前。
でも私は子どもの夜泣き、家事、パートをこなしながら、
料理も得意ではないのに朝5時起きでお弁当を作ることが本当に苦痛でした。



そもそも生粋の夜型人間の私には6時前に起きるなんて修行ですか状態。それでもそれなりに頑張って起きていましたよ。。
しかも週に3〜4日も飲みに行くのに、
「お昼のお弁当は節約になるから作れ」と言われることにも納得がいきませんでした!
「夜の飲みは付き合いだ」「飲みに行ったおかげで仕事をもらえることもある」と言われれば、
私は何も言えなくなる。
でも、そんなに頻繁に家を空ける必要があるのか?
――不満は積もるばかり。
今だから言えること
こうして振り返ると、あの時点ですでにモラハラでした。
でも当時の私は「これが当たり前」と刷り込まれていた部分が大きいのだと思います。
気づけなかったのは、私が弱かったからではありません。
「そういうものだ」と信じこんでいたからです。
もし今、同じように「これが普通なんだろう」と我慢している人がいたら、ぜひ伝えたいです。



それ、本当に当たり前なのかな?”普通”って一体何だろう?
小さな違和感に耳を傾けることが、自分を守るための大切な一歩になるのだと思います。
次回は「夫の無関心・丸投げ」――そのとき私がどう感じていたのかを書いていきます。

